「Musik und Literatur (音楽と文学)」、これらの芸術はしばしば互いに強い関連性を持ちます。 作曲家は文学に触発され曲を書き、作家も小説などの中で実在する音楽を用いて描写したりします。 このプロジェクトでは、音楽作品と、それに関わる実在するテキスト(小説、詩、エッセー)を同じ舞台で対峙させることで、音楽と文学の調和、特別で刺激的な空間を創り出すことを試みています。取り上げる文学がドイツ文学であることから、主にドイツで展開しています。
– 『ファウスト博士とラストソナタ』 (2019-2021に披露)
トーマス・マンの『ファウスト博士』第8章に出てクレッチュマールの音楽講義で題材とされたのが、ベートーヴェンのピアノソナタ第32番、ラストソナタでした。それに関しマンに影響を及ぼしたのがアドルノ、その作曲の師であるベルクの作品も織り交ぜて構成しました。)
– 『クライスレリアーナ』(2022-2023に披露)
シューマンのピアノ傑作「クライスレリアーナ」はE.T.A.ホフマンの小説に出てくる楽長クライスラーから触発されたと言います。また、若いブラームスもホフマンを読み、スケルツォを作曲しました。またプフィッツナーによるシューマンとホフマンに纏わるソネットやシューマン、ブラームスの手紙の一節も取り上げられます。
– 『Nachtgedanken (夜の考察)』(2024-2025に披露)
前半「夜と死」、後半「夜と夢」をテーマに、ニーチェ、ノヴァーリス、アイヒェンドルフ、シュトルムの詩、そしてスクリャービン、ワーグナー、サン・サーンス、リスト、メンデルスゾーン、ショパン、シューマンの作品を取り上げました。